新制度で活躍の幅を広げる認定看護師

認定看護師とは、特定の看護分野において高い水準の技術と知識を持っていると、日本看護協会から認定されたことを証明できる資格です。高度な判断力と熟練した技術に基づいてレベルの高い看護を実践することはもちろんのこと、実務の中で一般の看護師に対する指導や相談活動を行うことも仕事内容に含まれます。そんな認定看護師は、1995年にスタートした資格ですが、認定された看護師は2019年までで2万人余りに達しているそうです。

認定看護師になるためには、まず看護師として5年以上の実践経験を積んだ後、600時間余りの教育課程を修了したうえで、認定審査に合格しなければなりません。また、資格を取得した後も、認定看護師としてのレベルを保つため、看護実践と自己研鑚が所定の基準に達しているかどうかを5年毎の更新手続の際に審査されます。

認定看護師は誕生から20年余りが経過していますが、時代の流れを受けて、2020年からは「B課程」と呼ばれる新制度への移行が始まりました。具体的には、認定看護分野が21分野から19分野に再編成され、認定看護師になるための教育に特定行為研修が組み込まれるようになっています。特定行為研修とは、輸液による脱水症状の補正など、38種類の特定行為を看護師が医師作成の手順書の範囲内で実施できるスキルを身につけるための教育のことです。新制度では、診療補助などの面で認定看護師の活動範囲が拡大するようになっており、今まで以上に幅広い活躍が期待できるようになっています。